インターネット思春期

にちゃんねるの終焉を見ているようなこの頃、

id:haruna26さんのこのエントリがとってもすきなので

倣って思い返してみようと思う。

デジタルネイティブじゃない1989年生まれのわたしの話 - インターネットもぐもぐ

 

1988年生まれなので、彼女とそう年代は変わらない。

うちが他の家と違うなって感じてたのは、ビデオがないことで

テレビを見ることに関してもすごく厳しかったこと。

テレビに時間を左右されてやるべきことがおざなりになる、というのが

母親にとって耐えがたく許せないことで、だったら最初から得なければよい、ということだった。

その甲斐あってか今の私の自宅にはテレビがないし、テレビがない生活を7年近く過ごしているけれど、不自由は感じていない。

 

だけど、小学生のときに困ったのが、話題についていけないこと。

9時以降テレビを見ることを禁止されていた、というか9時に布団にいくことになっていたので

同級生が見ているドラマを共有できなかった。

周りの子はドラマを見ている、と分かってからは、新聞をチェックするようになった。テレビ欄にあらすじが載っていたりするし、話題性のあったものとかは俳優がインタビューに出ていたりする。

だから、新聞をちゃんと読むようになったのが小学校4年の頃。

 

娯楽もなにもない田舎だったから、

主に読書をして過ごしていた。学校の図書館のめぼしい本は、だいたい読んだ。

潮騒も、車輪の下も小学生のうちに手を出したけど、読むのは苦しかった。

ちょっと長めの冬休みも、雪に閉ざされてしまうと、本を借りにいくのもしんどい。家にこもって暇つぶしに喘いでいた。

ゲーム端末はゲームボーイポケットスーパーファミコン、64、プレイステーション。

モグラーにゃと、ポケモン赤、スーパーマリオ64チョコボスタリオンくらいしかやりこめなかった。弟と星のカービィスーバーデラックスを二人でやったのは、楽しかったなあ。

 それでも暇すぎて、受験もしないのに中学受験の勉強をしたくらいこのころは暇で、

暇が苦痛っていうのが身に染みてわかった。

 

中学に入ってからは、宿題が出るから毎日机に向かってた。

友だちに教えてもらったラジオ番組を皮きりに、FMを聞きながら勉強してた。

真面目な中学生だったと思う。

相変わらず本は読んでた。重たいのは読まなくなってきていた。

小3から読んでいたラノベも加速して、

世の中での扱いもどんどん大きくなって、新人賞で作家もすごく増えた。

西尾維新を初めて読んで、自分の語彙の少なさに打ちのめされた。

反対に、そのほかのラノベが急につまらなくなって、読むのをやめた。

文章がひどく稚拙に見えて、読解問題で出されるような本を漁るようになった。

 

インターネットを手に入れたのは、中3の夏だった。ちょうど中総体が終わった頃。

弟が期末試験の結果いかんでパソコンを買ってくれ、というご褒美設定をしたら

(当時の彼にしてはかなり高いハードルだったと思う)条件をクリアしたために家に導入されたのだった。

でも、彼は部活現役だったし、私は引退した身。

早く帰れるから、どっぷり浸っていった。

2003年、平成15年のときのこと。

 

弟と共用のパソコンだから、メールアドレスも一緒だった。

すごくリテラシーのしっかりした子で、私宛てのメールは絶対勝手に見てなかった。

まだキーボードを見ながらゆっくり打ってたメール。

同級生の数人は携帯を持ってたから、携帯宛てに他愛のないことを送って。

そのうち、メール友だちでもある同級生にhotmailを教えてもらって

でも自力で作れなくって、直接来てもらってようやく作れたんだった。

 

インターネットエクスプローラーを使って、最初に出入りしたのは、ザBBS。

にちゃんねるの存在は知っていたけど、当時はバリバリの「半年ROMってろ」な世界で

怖くって、見ることも怖くって。

掲示板っていう形態でコミュニケーションが取れるってことが分かってから最初に見つけたのが通称「ザビビ」だった。

しばらく様子見してから、同年代や話の合いそうな人たちのカテでコテハンで出入りしてた。

仲のいい人も数人できたりして。遠く離れた場所の人と友だちになれる、という衝撃。

だけど、その熱もリアルタイムの会話には勝てない。

いつしか個人サイトのチャットにすごくハマっていった。

「俺式」と「随神」で仲良くなったひとは、いまだに繋がってる。

チャットで年上のお兄さんに数学の証明教えてもらったり、

今から英語だけで発言な!って言われて必死についていったり、

yahoo!なんかよりgoogleのほうがいいよ、とか

いま電車男ってのがすごい!ってまとめサイト教えてもらったり

そうだ、フラッシュ動画!おすすめのフラッシュを教えあったり

いじめられてるんだけど、っていう相談にのったり

 長期休みのときなんか、夜明けまで起きてるってのを初めて経験した。

哲学的なことも話したし、言葉で誰かを傷つけてしまったり、誠心誠意謝ったり、

いろんなことを学んだ。見守ってくれた人も、一緒に大人になった人も、

すごく大切な仲間。

インターネット上の私は、どこかそのときの夜明け前を残している。

 

チャットで教えてもらって、

メッセンジャーを使い始めた。(今度は自力で入れられた)

3窓くらいのチャットをしつつ、お気に入り巡回するのが日課だった。

友だちがどんどんサイトを開設していってる中、

自分でサイトを作ることにあこがれはあったけど、タブーだと思っていた。

「私なんかの文章で、他の誰かの時間を浪費させてはいけない」

そう強く思ってた。

 

吹っ切れて書き始めたのが高1の冬で、友だちのサイトで日記を書いてた。

女子高生は存在自体がコンテンツ、って意識があった。

キーボードで長文書くのが楽しくて、こっそりfc2でも書いてた。

少し年上のチャット友だちがmixiが、はてなが、

って話題に出してるのを見ては、そこで書きたいって思ってた。

mixiは18歳になった1時間後には招待してもらってた。

18歳未満でも、できないことはなかったんだけど、ルールは守りたくって。

はてなは、内定が決まった日に開設した。2006年。

アンテナでゆるく繋がって、スターで仲良くなって、それからコメント。

その距離感がよかった。なんだかんだで

はてなの人が一番オフ会をしている。

 

2007年に上京してきて、気軽に会えるっていうのが楽しかった。

地元でも数人にあったけど、まだ「インターネットの人に会うのはあぶないよ」って

禁止されてる気配があった。

都内だと、「あの子には前あったことがあるよ」っていう

友だちの友だちくらいの感覚で会いに行けた。

今はもうtwitterで毎日見てるだけで、ふらっと会いに行っちゃったりするから

この感覚の変化はすごいなあと思う。

 

はてなと、twitterはなんかまだ書いてしまいそう。

でもそれは、またの機会に。