GWに、角館と弘前の桜を浴びてきた。
すべてがE6になった秋田新幹線で角館へ。
武家屋敷の黒と、桜の淡い光とが織りなす春。
ちょうど花の盛りに行くことができたので
満開の桜が風に吹かれてむせるような花吹雪に包まれた。
暑いくらいの日差しの中で、風はやはり少し冷たい。
たまたまギターの生演奏も行われており、最高のシチュエーション。
武家屋敷の通りは枝垂れ桜、
ほど近くを流れる桧木内川の川原にはソメイヨシノが咲く。
本来、枝垂れ桜は開花がやや遅い。
しかし、角館では冷たい川の水が気温を下げて、
この2種を同時に楽しめるようになっている。
昼下がりからは
毎年この時期にはさくら号と称して
角館ー弘前の直通運行を行っている。
さくら号は1日1本だが、普通列車を乗り継いで行くこともできる。*2
カタクリの群生地や残雪の多く残る山肌、
雪解け水の流れる激しい川、それらが削る渓谷。
岩木山にかかる夕陽。
4時間近い乗車時間だったのに、
まったく飽きることなく車窓を眺めていた。
とくに、5697mのまっすぐなトンネル。
入口からは全く光が見えなかったのに、
星のような光が灯り、それが大きくなっていく様。
まだ言葉にならない何かを感じさせた。
その日は大鰐温泉で一泊。
弘前のさくら祭りは観光客が多くて
弘前周辺のホテルは予約可能になってすぐに埋まると言われている。
実際、ここ5年ほど弘前に通っているけれど
弘前での空室を発見できたことはない。
なんだけど、弘前駅から電車で30分以内で、温泉旅館がある。
田舎でそのアクセスの良さだったら、便利なほうだと思う。
どこにでもあるチェーンのビジネスホテルより、
地元のおばあちゃんがやってる旅館を使ってあげたいよなあ
と、田舎ひいきの私なんかは思う。
旅館の中には、スキー選手のサインがいくつかあって
合宿かなにかで使っているんだろうな、という印象。
値段の割にしっかりと清潔な布団と温泉で、ゆっくりできた。
今回この温泉地を選んだ理由がもう一つ。
バスでもいいのだけれど、開場のタイミングだと混み合ってしんどい。
利用者もほとんどいない。
我ながら最高のプランだと思った。
さらに、当日になって知ったのだが、弘南鉄道を利用して
中央弘前に行くと、弘前城の有料エリアへの入場料が無料になるとのこと。
最高だと思うので、真似してもらいたい。
さて、こちら弘前城のお堀
完全に埋まっている。桜で。
わが目を疑う光景だった。
だって、木にまだこんなに花が残っているのに
お堀を埋め尽くすほど散っているなんて。
今まで何度も来たけれど、今回初めて見た。
弘前の桜は、リンゴの剪定技術を駆使して
めちゃめちゃボリュームのある花になっている。
「空気がピンクなんだよ。」と評した美術教師に強く同意する。
完全に非日常を感じさせる花、ってすごいと思う。
帰りは新青森からE5で東京へ。
新幹線2本、ローカル線2本を堪能しつつのさくらツアー。
いいなと思ったら、来年見に行こう。
1年越しの約束みたいに、咲いてくれるから。