難病を抱えていた方が寛解したそうだ。
その事実が湧き上がるようにうれしい。
その方とは会ったことも話したこともない。
本の向こう側にいた人だ。
私が病に倒れ、病名が付かずに苦しんでいるときに、友人が「大野更紗」という彼女の名前を出したのが始まりだった。
早速彼女の著者を読み、ただひたすら共感した。
日常がどんどん困難の壁に塞がれてゆくあの感覚。私も身に覚えがある。
彼女の言葉は病と向かい合う気持ちを与えてくれた。
働けなくなって、生きる価値もないと感じていた私が、病気と戦うことの価値を見出だせた。
今私が苦しんだことが、未来の誰かを助ける技術になる。そう思って、いろんな治療を試した。
当時、彼女が病名を得たときにその治療方法はなかったはずだ。
それが、完全寛解するほどの医学の進歩。
まだ10年も経っていないはずなのに。
戦うひとがいたから、助かることができる。
つらさを我慢しないこと。
助かる道を探し続けること。
どうか全ての困ってるひとに救いの道が開かれますように。
そしてその道中が孤独でないことを祈る。