弘前のさくらまつりが好きすぎて
もはや地元のように青森県に通っている私が
縁ある人におすすめされるのが、何を差し置き
「これはすごい迫力なんだよ~」「写真でもきれいだけれど、本物の迫力には叶わないな」
などと、思い出話をする人々がほんとうに楽しそうで、
これは行くしかあるまい、と8/8の最終日に合わせて青森に向かった。
飛行機で11時青森空港着の便を利用して、
その後空港リムジンバスで青森駅へ
青森駅からレンタカーを借りて現地に向かう予定だった。
後ろの予定の都合で青森駅拠点にしたが、
空港リムジンバスで弘前に向かって、弘前から五所川原の間の駅周辺に宿を取るのが
無難だと思う。
ちなみに、飛行機に乗る予定だったが、
前日の羽田空港周辺の雷雨影響で使用機材が着かず
当日朝に欠航の連絡が来るというレアな経験をした。
夏は台風とかでもそういうこと起きるから気を付けないとね…。
帰省シーズンなこともあって三沢や大舘含め飛行機で振り替えはできず
新幹線で新青森に行くことになった。
グランクラスで東京駅発、とくればラウンジが使える!と
あまり時間に余裕がなかったがラウンジに突入し、慌ただしかった気持ちを落ち着けることができた。
ちなみに五所川原は馬肉の産地でもあって、
新青森駅で贔屓にしている馬肉の握りは五所川原の金木のものを使っている。
熊本の馬肉が有名だけれど、赤身がおいしいそれと違って
青森の馬肉はとにかく脂が甘い。そして柔らかい。
馬肉を求めてもなかなかこの味わいには会えないので
現地に来るしかないというのも、熱中させる要素の一つ。
調べてみたけれど、馬刺しを食べられる飲食店はなさそうだったので発送もできる専門店へ。
行ってみると絶えず車がやってきていて、地元の人たちがぽんぽん買っていく。
お祭りだし親戚が来たりしてるのかな。
たてがみとか、脂をしっかり楽しめる部位も冷凍発送してくれる。
お土産の発送したことなかったけれど、帰ってからも楽しみが続く旅行ネタとしていいかも。
車で五所川原駅周辺に行くに当たって心配なのが駐車場。
先に張った公式サイトの中には情報がない。
数年前まではショッピングモールのエルムに無料で泊めて、
シャトルバスで会場付近に行くというのがスタンダードだったらしく
なんとでもなるよ~という雰囲気の先人たちのブログばかりが出る。
今はシャトルバスないし、歩くと遠いし…。
と、計画時にだいぶ気をもんでいたら、
わりと直前になって個人ブログで臨時駐車場情報が。
ありがとうありがとう。めちゃくちゃ助かりました。
五所川原 立佞武多 祭り 2024 日程と駐車場・臨時駐車場 | あおもり大冒険
会場にほど近い河原を整備して駐車場にしてくれていて、
案内してくれる方もたくさんいてスムーズに停められたし、パンフレットとイベントうちわも無料配布してるし、仮設トイレもあって大充実の臨時駐車場だった。
ちなみに現地周辺をうろついても臨時駐車場へのアクセスの看板とかないし
上記サイトがなかったらたどり着けなかったと思う。勝手知ったる地元の祭りなんだなーと感じた。
着いたのは17時半くらいで、まだまだ余裕があった。早いもの順でアクセスいいところが埋められる方式。
夕暮れの川を歩いて渡るの、なんかワクワクする。
マジで地元の祭りだと思うのは会場らしきエリアについてからで
歩道という歩道に場所取りのアウトドアチェアがひしめき、
どこに有料観覧席があるかとかの情報が地図ではなく「2丁目」とあり、
そして外国人観光客が全然いない。
俺たちは見せもんじゃなくて地元でやりたくてやってんだ、という正しい祭りを感じた。
よそもんを受け付けない感じではないし、さほど広くないので
体当たりでエリアをうろつき、雰囲気でたどり着いた。
有料観覧席まで行くと、旅行客っぽい感じの人が多め。ツアー客らしきバッチをつけている人もいた。
たどり着くまでに屋台がいろいろあって、気になるものもあったけれど
一旦席についてしまうともう戻ろうとは思えない混雑。
でもあちこちにトイレの案内は出てるし、身動きとれないほどではないので
安心して見ることができそう。
開始は19時からなのだけれど、その前にポジションに着くために
立佞武多の館などからぞろぞろたちねぷたが出てくるのを眺めて飽きることなく待てた。
徐々に席が埋まってゆき、地元民の割合も上がってきて
いよいよ始まるんだなと思うものの、アナウンスは少し離れた大型の有料観覧席のところでだけされており、状況はつかめない。
つかめないなりに、4階建て並みの立佞武多が光りだしたりしてるので、全然楽しい。
なんか吉幾三っぽい声で歌声が聞こえるなと思ったら、目の前にやってきて、
運よくスタート位置の席だったことが分かった。
市長と一緒にスタートの音頭を取っていたが、観客のわき上がりがすごかった。
お囃子の部隊が先行して、間に踊り子たちがいたりして、それからねぷた。
先行するお囃子のところで、灰皿みたいなのを打ち付けてシャンシャン鳴らす手平鉦(カネ)というのが、お祓いみたいだなと思った。
ねぷたは全部が全部縦長ではなくて、小型のねぶたのような造りのも多く出ていて
身軽な分観客席に迫る勢いある曳きを見せてくれたり、ぐるんぐるんに回したりして、ファンサがすごい。
結構短いスパンでそのアピールやってくれるものだから、何度も目の前に迫るねぷたが見られた。
出陣する参加機関ごとに、リーダーっぽい人が先頭に立ってるみたいなのだけれど
彼らもねぶたみたいに光るのをかぶっていたり、コスプレしたり、ユーモアあふれる演出をしていた。
(たちねぷたなのに、ねぶたみたいって言ったら怒られるんだろか)
お囃子の部隊には幼児もいれば、赤子を抱っこしたお母さんもいる。車いすの方も参加してて、いろんな形で参加できるみたいだった。
20時くらいで1巡して、座ってるだけなのに次々面白いねぷたや踊り子たちがやってきてくれるので、ずっと楽しく眺めてられた。
21時までやってると書いてたから、きっと2巡するのだろうけれど
渋滞が怖いし撤退。
多くの人が1巡で動き始めて、メインの通りはなかなか動かない。
間の細い道でショートカットしてみたら、通りの建物を超えてにょきっと光る巨大なものがのそりのそりと動いてみえる。
巨大ロボアニメか、巨大生物の映画でしか見ないような光景。
これは川の向こうの駐車場でも垣間見えて、なんかこれだけでも見に来た価値があるなと思った。
でっかくて背が高くて、光るものは暗く遠くなっても見える。
あのひかりがあれば、離れても頑張っていられるだろなと思った。
恐れていた渋滞もなく、なんなら真っ暗なやや山がちの帰路は心細くさえあった。
やけに広い道には高い位置に反射材があって、
冬には除雪車が通り、寄せられた雪で狭くなることがうかがえる。
この地は地吹雪も多い。長く厳しい冬を超えた人々の力強さが
あの雄々しくも親しみの沸くねぷたたちになるのだろうなと思った。
今週のお題「まつり」