東京ステーションホテルに泊まった

結婚して10周年になったことにかこつけて、東京ステーションホテルに泊まった。

10周年、錫婚式と呼ばれるらしい。

東京ステーションホテルでも錫婚式のお祝いプランがあると、結構前から目をつけていたのだが、あいにく私たちの記念日にはプランの空きがなく。

宿泊だけして、別途錫製品を買うことでお祝いとした。

 

東京駅には在来線でちょっと足伸ばした感覚で行けるから、

チェックインまでには余裕がある。

交際始めたころの思い出の地に寄り道しつつ、塗香作成体験をして

15時、ちょうどチェックイン開始時刻に到着。

入口からすでにたくさんのスタッフが待機し、目を配らせていて、

すぐに誘導してくれて全く戸惑うことなくチェックイン手続き。

ご案内いただく話し方も美しい日本語で、もうこの時点でいいところに来たって感じる。

お部屋に案内してくれるスタッフも、ただ先導するのではなく、随所で道の覚え方であったり、見どころだったりをお話ししてくれる。

丁重に扱われているというのと、親しみやすさをちょうどよく織り交ぜて接してくれるから、こちらも委縮しすぎず、リラックスして会話ができる。

結婚記念日のお祝いであるということは予約時に伝えてあったため、お部屋についた後に記念撮影を提案してくれた。後ほどポストカードにしていただけるとのこと。

おすすめのスポットを聞いて、北ドームが見下ろせるスポットにて撮影。

北ドームを見下ろす

みんなまさかこんなところから見られているとは思うまい。と見下ろす愉快さ。

じっくり眺めたいところではあるが、東京ステーションホテル、見どころが多くて忙しい。

館内ツアーガイドが渡されているくらい、館内のいたるところに歴史的な資料が飾られている。

東京駅が出来た時、空襲受けて壊れてしまった時、復興した時。

時代の手触りのある資料を一つ一つ眺めて、音声ガイドを楽しみながら巡った。

とにかく横に広い館内、一度では巡り切れず、一度部屋で休憩。

パレスビューのお部屋

皇居方面を見渡せる部屋だったので、外を見ると観光客がカメラを向けている。

そして、フォトウェディングをしている人たちがいちにいさん…少なくとも5組はいた。

夕暮れ時から夜景になる時間帯が人気の様子。

外から眺めても美しいが、部屋の中も美しい。どこをどう切り取っても絵になるし、寛げて快適だし、心地よさに感心してしまう。

ワークスペースに小さな原稿用紙があって、文豪気分でメモ書きができるのもうれしい。

文豪セット

この後、東京駅内のお寿司屋さんで夕食をいただいたのだけれど、食べたものをこの原稿用紙に書くのが楽しかった。

あのネタのここが素敵だった、を1枚ずつ書けそうなくらいおいしかったし、

カウンター越しの大将が終始楽しませてくれて、あっという間だった。

 

夕食後は腹ごなしを兼ねて館内ツアーの続きを。

こんな風に長い長い廊下が続くのだけれど、随所に資料か飾られていて楽しく歩ける。

そして、足元がふかふかの絨毯だと、長く歩いてもさほど疲れないことを初めて知った。

長い廊下

広いベッドに、使い勝手のいいクッションに囲まれて、大変気持ちよく寝た。

眠りが充実していたのか、興奮していたか、まだ暗い時間に起きてしまったのだけれど

外を眺めればどこかに歩いている人がいて、車通りも多く、さすが東京駅だと思った。

それでいて部屋の中は静かで、目に障ることのない照明と、余計な音が鳴らない調度品で、起きてしまった不快感が全くない。これが最高の寝室ってやつか…。

いっそこのまま夜明けまで眺めようと思っていたが、心地よくて気付いたらまた寝てしまった。

 

翌朝の朝食は中央アトリウムでのビュッフェ。差し込む光がやわらかく、気持ちのいい朝を演出してくれる。
前日に見た数々の資料で、復原したレンガの壁を使っているなとか、屋根の形は元の意匠に倣っているんだなというのが分かる。

 

関東大震災東京大空襲も経験して、再オープンに向けた工事をしているときには東日本大震災もあって、災いを乗り越える象徴みたいな建物だった。

結婚して10年。日々平和に過ごしてはいるものの、天災だったりコロナ禍はあった。

今後もきっと予期せぬ危機は来るだろう。

それらをこれからも乗り越えていく気構えとして、記念日にここに居られてよかったと思う。